未知―僕達の進むべき道―









ずっと伏せていた先輩が顔を上げた。



とても淋しそうな瞳で見てきた。



「俺は弱いんだ。親父と話したって何も変わらない。」




そんな事ない・・・



そうやってすぐにでも反論したかった。


でも、悲しすぎる瞳は何かを隠していた。





「親父は会社の社長で・・・今病気を抱えてる。」







―――病気






その言葉に私はピクッと反応した。



「跡継ぎを早く決めなきゃいけないんだ。だから・・・」





その先は言わなくてもわかった。




だから、反抗なんて出来ない。


親孝行、しすぎだよ・・・





親のためだったらなんでもするの??





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