好きだ、ばか
好きだ、ばか
「俺と付き合え、優」
自信満々なアイツに、私は決まって『嫌だ』と答える。
「なぁ、俺様のどこが不満なんだ。言ってみろ」
「そういうとこ」
「フン…まぁいい。お前は俺を好きになる。決まってる」
「……はァ」
ため息はいくらついても枯れない。
桐谷はどこまでも馬鹿だ。そんな自信はどこからくるのかと、いつも問いたくなる。
なんでそこまで私にこだわってくれるのか、私のちっぽけな頭では理解できない。
コイツなら、女の子なんてよりどりみどりなのに。
それも、彼と付き合わないひとつの理由なんだけれど。