私的恋愛*シテキレンアイ
雪都とハヤテとユワタロー
あれは良く晴れた日のこと。
いつも通り、
愛犬といっても、
ユワタローの犬だが、
その愛犬ハヤテに
会いに行く。
「ハヤテ」
小さな小さな声だが、
このリンとした
透き通る声の為か、
それとも
ハヤテの耳が良いのか
こちらへと走ってきた。
ハアハアと
舌を出している
ハヤテの頭を撫でる。
ゴールデンレトリバー
特有の
大きな体に
テリア特有の
すっきりとした
顔立ちが気持ち良さそうに
体を雪都の足にすり寄って、
目を細めている。
「お座り」
雪都の声に従い、
きちんとお座りをする。
さすがはゴールデンレトリバー。
かなりの、お利口さんだ。
「待っていて、ユワタロー連れてくるから」
ハヤテの目線に合うよう、
しゃがみこんだ途端。
ハヤテからのタックル。
……きっとハヤテは、人間でいう抱擁をしているつもりなのだろう。
でも、可哀想だが
タックル扱いになってしまう。
おかげで雪都はコテンと、
ユワタローの家の庭で
倒れてしまった。