初恋の相手はキミでした。


「隠さんといて…っ」



「え…?」



顔を隠していた手を急に掴まれた。



「…どうしたん…?」



「絢華のこと…絢華の色んな表情を全部忘れたくないねん」


「え…何言ってるん…?」



「俺は…まだ絢華のこと好きやねん。って未練たらしい男やんな…。でも俺は今でも愛してるから、絢華の幸せを願ってる。絢華にとって俺は一番じゃないけど、俺は絢華の幸せを世界一願ってるから…」



そう言う先輩の瞳は、あの日この場所で告白をしたときみたいに、真っ直ぐで真剣だった。



「だったら…何で別れたん?」



もし、あたしが逆の立場なら嫌だ。


別れたくないやん。

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