ねぇ、笑って。
「私は、そんなのに関係なく海ヶ崎君と友達になりたいの。」
「これから頑張るから、覚悟しててね。」千鶴はそう言って、屋上から去っていった。
覚悟ってナンだよ。お前もどうせ一緒だろ。俺じゃなくて、俺の周りのものが欲しいんだ。
「うざい。」あいつはもういないけど、呟いた。胸に残った後味の悪さを、少しでもなくすため。
あいつは、嫌なものだけ残していった。
否、微笑を残してった。
可笑しいほどに、頭に残る微笑を。