ねぇ、笑って。

「はっ!?」



「はい?何でしょう?海ヶ崎君。」



顔を見なくてもわかる、声を聞くだけでわかる、俺を海ヶ崎君と呼ぶのは一人だけ。



千鶴……。




「お前、何でここにいる?」



声を低くしてみた。教師を殴るときみたいに。




「だって、友達が友達の家を訪ねるのはよくあることです!私は海ヶ崎君の…」




「もういい!!出てけ!」



千鶴はにっこり笑った。




 
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