ねぇ、笑って。
Dear 海ヶ崎君
海ヶ崎君。
私はこの名前を何度呼ぶことができたのかな?
私はどのくらいの間一緒にいたのかな?
私が始めて海ヶ崎君を見たのは、入学式のときでした。
校門の前にできていた人ごみが気になって、目を向けた。
気だるそうにズボンに両手を突っ込んで、寝むたそうな目をした海ヶ崎君がその中心にはいました。
なんでかな?
その姿が妙に印象に残ったのは。
私と同じ一年生だって知ったのは、クラス発表のときでした。
まさか、同じ学年だとは思っていなくて、とても驚いたのを覚えています。
だって、とっても大人びて見えたんだもの。