ねぇ、笑って。

学校でじゃなくて家でだったから、噂にならなくてすんだんだ。

海ヶ崎君の耳に入らなくてよかった。

なんて思ってたけど、どっちにしろ海ヶ崎君には関係なかったよね(笑)

この病気ね、治らないかもしれないんだ。

病院で目覚ましたとき、空気が重かったからすぐにわかった。

あはは。

私、まだやりたいことがたくさんあるよ。

話したいことがいっぱいあるよ。

だから、諦めたくなかったんだ。

副作用のせいで、吐き気がしても頑張ってご飯を食べたし、髪も一生懸命ケアしたんだ。

でも、自分でわかるほど私は病気に負けてきたの。

この前、ふと思ったんだ。

私、もう死ぬんだって。

前よりも体力が落ちてきたし、息苦しくなる回数も増えた。


 
< 55 / 74 >

この作品をシェア

pagetop