ねぇ、笑って。
千鶴
自分のことを悔み、千鶴のことを想って泣いていた俺に誰かの声が聞こえた。
千鶴の姉貴だった。
「海ヶ崎君!探したわよ!」
千鶴の姉貴の顔は、真っ青だった。
その顔を、その声を聞いたら無性に怖くなった。
「千鶴が!千鶴が!」
……千鶴に何かあったんじゃなかって。
「どう…したんですか?そんなに慌てて……。」
「千鶴の呼吸が、止まった‼」
あぁ、今俺の心臓も一緒に止まったみたいだ。
世界が暗くなる。
急に寒気がする。
ふらふらして、どうしようもなくなった。