家に住みついた猫男
「俺さぁ.....」
急にかしこまった猫男が何かを言いかけた。
「何?」
ちょっと言いにくそうなかおをした彼は、3秒くらい間を開けてから口を開く。
「俺、かい........
―――――ピロピロピロ~~♪
硬くなった雰囲気の部屋に似合わない音。
「あ、私のだ...」
携帯が、鳴る。
「でなよ」
猫男が今まで離してくれなかった私を解放した。
「早く。電話だろ?」
「うん.....」
電話の相手よりも、さっき、猫男が言いかけたことの方が聞きたかった。
猫男に促され、カバンの中の携帯を手に取る。
―――――加賀君。