空の歌声


「なぁぁっ!!!
なんでもない!!


ただ…ロードには
休息が必要なんだ…」






ディズは悲しげに
俯いた






「そうですね…
どんなに時を刻んでも…
悲しみは薄れないから…」




ニーナはシェラの顔を
思い浮かべた





そして…
グレイの顔も…






「ニーナは…」





「へ?」





不意にディズが
名前を呼んだので
変な返事をしてしまう








「いや……ニーナは
無理してないか?」






ディズは心配そうに
ニーナを見る






「辛く…なる事はあります…

でも…
前に進まなきゃ
駄目なんですよね
きっとそう望んでるから…」





ニーナはそう言って
悲しげに笑った






「あぁ…でも人には弱さも
あるから…
それを支え合って初めて
前に進めるんだ」





ディズはニーナを抱きしめた






「ディズさっ…」




ニーナは恥ずかしがり
ながらもじっとしている







「俺だっているんだ…
支えるから…
安心して頼れ!」





そのディズの
優しさにニーナは
泣き出した






悲しみが溢れる






あの戦いはたくさんの
悲劇と引き換えに
平和をもたらしたのだから









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