空の歌声
「グレイ?……
もしかしてあんた…」


思い出した…


このうそくさい笑顔
金髪に碧い瞳




こいつは…





元南ルーダ王国国王
側近のグレイ・ハミス






「あんた…
こんな所で何してる?」



あたしはグレイを
睨み付ける




こいつは……




テレサとあたしを
あの忌ま忌ましい
王国へ連れて来た張本人




お前さえいなければ…




「知りたい?
僕がここにいる理由
なら着いておいで」




グレイは前を歩く



あたしは黙って
着いていく




テーブルの上にあった
果物ナイフを
懐に忍ばせて








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