with...me
☆☆☆
――子供が増えたから減らします――
時は20××年――少子化社会は数年前のとある事件をきっかけに影も残らないくらいに消え去ったこの時代。今のこの国の問題は――
「――やはり、未成年の犯罪が目立ちますね」
「よして下さいよ。『目立つ』なんてもんじゃないでしょうに」
「データによりますと……ここ数年の殺人、および未遂事件、障害事件の7割は未成年が加害者となっています」
真剣な面持ちで会議をする人間たち――年齢こそばらけているが、どの人物にもなにか異様な雰囲気が感じられる。
某国某所――
この国の首都を務めるこの地には、国の中枢機関が終結していた。
都心部をぐるりと取り巻くように立ち並ぶ背の高いビルディングたち、その中でも一際目立つ黒いビル。その最上階にある豪奢な一室で「それ」は開かれていた。
この国の権力者たちが集まる定例会・
凡人内臓を隅から隅まで売り飛ばしても買えないような豪奢な長いテーブル。煌びやかな飾りがしきりにつけられた椅子に、つむじからつま先までブランド品で身を包んだ人間が着席し、なにやら話し込んでいる。
「そもそもですねー人口の半分を未成年が占めるというのはおかしいんですよ」
現在、日本の人口は1億人強。数十年前とは打って変わって、未成年の増加が著しく目立ち、それに伴って未成年の犯罪もうなぎどころが竜が昇るようだった。