with...me

 「何を言うか、若蔵が。お前もこの前までその中に居ただろうが」

 「茶々入れるのはやめてくださいよ……ほら、この前の事件も酷かったじゃないですか」

 「あ――あの学校籠城事件のことですね? あれは凄く残酷だったなぁ……」

 「それよりも酷いのが、駅構内でガソリンを撒いて……ってヤツですよ。とても正気の沙汰とは思えません」

 彼らの言っている通り、近年の未成年が起こす犯罪の大半は残酷で残虐な事件ばかりであった。

 「警察の方も対処できないみたいですね……この前なんておよそ千人の囚人たちが脱獄を謀ったそうですよ。なんとか食い止めたみたいですが、被害は酷いようで」

 それからこの議論は数時間に及んで続けられた。やがて彼らはひとしきり自己の訴えを吐き終えたのか、沈黙が訪れた。

 ――そして、一番権力の大きい、おそらくこの場を、この組織を取り仕切っているだろう人物がおおきくひとつ咳払いをし、周りの視線を集める。

 「」
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

花の教科書

総文字数/2,001

青春・友情4ページ

表紙を見る
空の教室

総文字数/1,969

青春・友情3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop