SEASONS
「はい。まずはお友達から。だって良く知りもしないのにお断りなんて出来ません」


まだ驚いた顔をしている福嶋さんがおもしろくて、あたしは思わず吹き出した。



「福嶋さん、自分で言ったのに驚いてるんですか?」

「いや、だってまさか、すぐに返事もらえると思ってなかったから」


いつもは冷静で優しい福嶋さん。

こんな姿を見たのは初めてだ。


「夏休み中、またどこか連れてってもらえますか?」

「もちろん」



夏休みが始まって数日、あたしと福嶋さんの関係は少しだけ進んだ。


これが恋になるのかどうか、あたしにもまだわからない──。


< 105 / 304 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop