SEASONS
俯いたままのあたしを不安に思ったのか、福嶋さんの心配そうな声がした。


「ごめん。自分で急がなくていいって言ったのに。……それに、相手の気持ちも考えずにいきなりキスするようじゃ、ダメだよね……」


「ちっ、ちがっ……」

顔を上げるとすぐ近くに福嶋さんの顔があった。


暗がりで見えないかもしれないけど、あたしは赤くなった頬を隠すように両手で覆って首を横に振った。


「び、ビックリ……しちゃっただけ、です」


ホントに、ビックリしただけ。

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