SEASONS
「……吹奏楽部の、彼女」


「あぁ、マイね。……普通、かな」


普通、ねぇ。

あたしは小さくため息をついて、シャープペンを握り直した。



「今日はどうしたの?」

「……え?」


問題を解こうとした時、今度はアイツから声をかけられた。


「いつもは黙ってるのに。今日はよくしゃべるね」

「べ、別に……」


普段との違いを言い当てられて、あたしはごまかすようにノートに視線を戻した。



「ひとつ、言ってもいい?」

「な、何?」




「福嶋健太」

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