SEASONS
「!?」

いきなり後ろから手首を捩り上げられて口を塞がれた。



「静かにしてれば悪いようにはしないよ」

耳元で聞こえる男の低い声。



男はあたしの腕を捩り上げたまま、あたしを押すようにして暗がりの中を歩き出した。


抵抗するけど力ではもちろん勝てない。

誰かに助けを求めようと思っても誰も通らなかった。






後ろから押されるように歩いて着いた場所は、建設中のビルの中。


男はブルーシートをめくって中に入ると、あたしの背中をドンッと押した。



「……っい」

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