SEASONS
風になびいてバサバサと音を立てるブルーシート。


もし誰かが通りかかったとしても、あたしの声は聞こえないかもしれない。





「気持ち良くしてやるからさ」

ナイフをちらつかせたまま、男は今度はスカートに手を伸ばした。


「いやっ! やめてっ!!」


男が乱暴に手を離したせいでボタンが飛び散って乱れた胸元。


スカートの中に入ってこようとする男の手を必死に押さえながら、あたしは大きな声を出した。



「助けて! 誰か! 誰かっ!!」

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