SEASONS
初めての部屋で
福嶋さんの姿が見えた時、あたしは福嶋さんに助けてもらえると思った。
助けに来てくれたんだと疑いもしなかった。
それなのに……。
“先に手ぇ出してんじゃねーよ”
それって……どういう意味……?
「彩ちゃんオレね。すっごい好きなんだ、君のこと。だから、早くオレのモノになってよ」
「……」
初めて見る表情だった。
氷のように冷たくて、感情がまったく読み取れない。
言葉の出ないあたしに、福嶋さんはニヤリと笑った。