SEASONS
あたしの視線に気づいたのか、福嶋さんが男に向かって親指を立てた。




「何回か店に来てたんだよ。気づかなかった?」

そう言われて混乱している頭で必死に記憶をたどる。


──そういえば。


今日だけじゃなくて、お店で何度か福嶋さんと話してたかも。

あたしと目が合うことも良くあって、さっきだって……。





「彩ちゃんの顔、覚えさせてチャンスを狙ってたんだ。だけどいつも大通り通って帰るでしょ。なかなかチャンスなくてねー。
今日はどうしたの? ……まぁこっちとしては好都合だったけど」

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