SEASONS
ニヤニヤしながら話す福嶋さんの顔は、やっぱりいつもと違っていた。


──怖い。


あたしは自由になった体を無意識に抱き締めた。




「手荒なマネはしたくなかったのにさぁ。彩ちゃんがオレのこと拒むから」

ジャリッと砂を踏む音がして、福嶋さんがあたしに一歩近づいた。



「……まさか、最近この辺で起きてる事件……」



「だから気をつけて、って言ったのに」




ニヤリと笑う顔に、また体が震えた。

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