SEASONS
その音はどんどん近づいてくるみたいだった。



「……チッ」

舌打ちにゆっくり目を開けると、あたしを一瞥してから走り去る二人が見えた。


……助かっ……た?


「おい」

「!!」


二人がいなくなってすぐ、別の男の声がした。


「いやっ!!」

暗くて顔は見えない。


「おいっ。落ち着けって」

「はなし……っ、え……」



掴まれた手を振り払おうとしたけど、どこからか漏れる光が映し出したのは──。


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