SEASONS


「ここ、どこ……?」


汚れた制服姿のあたしは、手を引かれるままこの場所に連れて来られた。


「俺んち」

「えっ!? ちょっ、待って!」


「いいから」

「良くない!」


一人廊下を歩くのとは反対に、あたしは玄関で立ち止まった。


「さっきの状況で、別に何もしないよ」

「それもあ……いや、そうじゃなくて……こんな汚れたままじゃ……」

「だから気にしなくていいって。それとも、そのまま帰れんの?」


「……」

< 156 / 304 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop