SEASONS
新聞を畳むと“適当に座ってて”と言ってキッチンに向かった。

玄関と同じでここもきれいにされている。


きれい過ぎて、あまり生活感が感じられないっていうか……。



「やっぱり大きかったね」

キッチンからそんな声がして首をかしげた。


「スウェット」


「……あぁ」



これは多分アイツので。

そうすると長さが合わないのも当然で、あたしは裾を何回も折り曲げて履いていた。




「座って」

カップをふたつ持ってアイツがリビングに戻って来た。

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