SEASONS
涙で潤んだ目でアイツを見ると、心が弱ってるからか、今ならどうなってもいいと思っている自分が頭の隅にいた。


この前の図書室みたいに頬に手を当てられて、親指で涙を拭われた。



「バカだよ、お前」

「!?」





ソファから下りて横に座ったアイツに、髪を梳くように後頭部に手が回された時にはもう──唇が重なっていた。




「……っん」

すぐに離れた唇は、またあたしのそれと重なって……。


繰り返されるキスに息が苦しくて、気がつけばアイツのシャツの裾を握りしめていた。
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