SEASONS

ブーン……ブーン……


「!!」


ハッと目を開けて胸を押し返すと、やっぱりアイツはふわりと微笑んでいた。




「俺のだ」

まるで何もなかったように普通だから、あたしは余計恥ずかしい……。


「乾燥終わったか見てくる」

一度開いた携帯を元に戻してソファに放り投げた。



「……出ないの?」

「いいよ」




そう言ってリビングを出て行くアイツ。


携帯はまだ、ソファの上で震えている。
< 170 / 304 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop