SEASONS
唇に指を当てると、感触だけじゃなくて息遣いまでよみがえってきた。



あんな息苦しいキスは初めてだった。


あんなアイツを見たのは初めてだった。



“男の顔”をしたアイツ。



彼女といる時、彼女とキスする時、いつもあんな風なのかな……。




コンコンコン

「!!」


「着替えた?」

「まっ、まだっ!」

「早くしないと開けちゃうよー」



その声から意地悪く笑った顔が想像出来て、あたしは慌ててTシャツを脱ぎ捨てた。


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