SEASONS
「……ありがとう。送ってくれて」
アイツがいたって普通だから、あたしも気にしないようにした。
あれは、事故。
そう、事故だ。
色んなことがあったから、気が動転してたから、心が弱っていたから──雰囲気に流されてしまっただけ。
「洗って返すから」
「別にいいのに」
あたしが軽く持ち上げて見せた袋の中には、借りた服とタオルが入っている。
「地元まで送らなくて平気?」
「大丈夫。じゃあね」
改札を通って階段を駆け上がると、ちょうど電車がホームに入って来たところだった。