SEASONS
彷徨う気持ちは
「山本先生が職員室に来いって」
「めんどくさーい」
「早く行って。あたしが伝えなかったのかって怒られるじゃん」
「はいはーい」
秋も深くなり、もうすぐ学園祭が近くなってきた。
「最近、徳永くんと仲いいじゃーん?」
「……別に、変わんないよ?」
「嘘。前は全然話さなかったクセに」
「……伝言伝えただけだし」
──確かに、教室でアイツと話すことは多くなった、と思う。
普通にしようと思うと逆に口数が増えちゃったっていうか……。