SEASONS
「……ふぅ」


小さくため息をついてからあたしは、それをカウンターの上に広げて整理を始めた。



“先行ってて”

あたしが声をかけるよりも先にアイツはそう言って教室を出た。


どこに行ったのかは知らないけど、まだ来ていない。


ま、別にいいんだけど。



それなのに、ふと手を止めると昨日のことがよみがえってきた。



真っ赤な車に乗るアイツ。

運転席に座るきれいな人。
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