SEASONS
あのキス以降、アイツと二人きりになるのは初めてじゃない。


借りた服を返したのもここだった。


ここなら誰かに見られたりする心配がないから。


あの時はヘンに緊張したけど、アイツはやっぱりいつもと変わらなかった。


だからあたしもあれは事故だって、気が動転してただけだって気持ちの整理をつけた──はずなのに。




「……どこ、行ってたの?」

無言に堪えられなくて、あたしは奥に消えたアイツに声をかけた。
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