SEASONS
「ちょっと電話」

姿が見えないまま声だけが返ってきた。


「上……作業、進んでた?」

「さぁ。見てない」

「そ、そう」


電話って……昨日の彼女に?

今日も迎えに来るの?

あたしが昨日見てたの、気づいてる?



「……あた、し……」

何考えてるの?


別にアイツが誰と会おうと、誰に電話しようとどうでもいいじゃん。


頭の中のモヤモヤしたものを振り払うように止まっていた手を動かした。




「……った!」
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