SEASONS
「何それ」

そう言われて、また手首を掴まれた。

「何って……何? 平気だって言ってるじゃん」



「──気に入らない」

「何……がっ!?」


あたしの手首を掴んだままカウンターの入口まで回って来たアイツは、そのままあたしを引っ張った。


「ちょっ……何!?」


突然のことに抵抗出来なかったあたしは、引っ張られるままカウンターから飛び出した。


そしてそのまま図書室を出るアイツ。


「何!? 離してよ!」

だけど返事はない。



引きずられるようにして着いた場所は──保健室だった。
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