SEASONS
「別に。……忘れて」

そのまま立ち上がってあたしに背中を向けた。


「何か、怒ってる?」

「別に怒ってなんかない」


使った物を棚に戻していく。


「赤い車……彼女?」

「……っ」


扉を閉める手が止まって、驚いた顔をしたアイツが振り返った。


「昨日見た。アンタが乗るところ」

「……そう」


「彼女?」




あたし、こんなこと聞いてどうするんだろう。
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