SEASONS
途中、実行委員で担当する校内の見回りもしなきゃいけないから、今のうちに出来るだけ数をこなさないと。




──アイツとはあれ以来話していない。

今日も朝見かけたきり。


指先の傷は小さくなったけど、胸の奥はうずいたままだった。


動いていないと余計なことを考えそうだったから、あたしは目一杯仕事を詰め込んでいた。





「成海。見回りの時間、過ぎてない?」


「え? あっ!」


大野くんに声をかけられて時計を確認すると、交代の時間を少し過ぎていた。
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