SEASONS
そう言って教室を出て行った大野くんは、本当にすぐ戻ってきた。
「行こうか」
「うん」
一緒に教室を出る時、係の人達がニヤニヤした顔であたし達を見ていた。
誤解……してるよね、あの顔は。
「係のやつらがタダ券くれた」
そう言って見せられた食券は、確かに景品にあった物。
「……いいの?」
「いいんじゃね? あいつらがくれたんだし」
そう言って大野くんが笑うから、あたしもつられて笑った。