SEASONS
「大丈夫。……それに、今日の成海は働き過ぎ!」


そう言うと、軽く握ったこぶしを軽くあたしの頭に当てた。

それからニコリと微笑んで教室に向かった。


「……」


働き過ぎ、か。

あたしはひとつため息をつくと、残りの焼きそばを口へ運んだ。





小講堂で行われた演奏会は、もっと大きな会場が取れれば良かったのに、って思うくらい大盛況のうちに幕を閉じた。


お客さんが出て行く中、その場に残っていたあたしのところに優香子が走って来た。
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