SEASONS
悪いのはあたしだ。


心の中から追い出せなかったあたしのせい。


大野くんはあたしが目をそらしていたことを、勇気を持って言葉にしただけ。


ずっと不安な思いをさせてたのかもしれない。

ずっと辛い思いをさせてたのかもしれない。


本当は、あたしから言い出すのを待ってたのかもしれない。


あたしは両手で顔を覆ったまま首を左右に振った。





「ケンカしたんなら仲直りすりゃいーじゃん」

「簡単に言わないでっ!」


あたしは自分がどうしたいのかわからない。

どうしたらいいのか……。



「!?」

「泣くなよ」



──抱き締められたのは、何回目なんだろう。
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