SEASONS


「話、あるんだけど……いいかな?」


二月に入って少し経った日の放課後、あたしは大野くんに声をかけた。


「何?」

「ちょっと……」


ここではちょっと話しにくい。


「場所、変えようか」


大野くんがそう言って教室を出るから、あたしも後を追いかけた。





……。


着いた場所は、人がほとんど来ない階段だった。


前にアイツから逃げて図書室を飛び出して……。




「泣いてたね、ここで」
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