SEASONS
「……え……」


「図書室に行こうとした時に見たんだ。うずくまって、声を殺して泣いてた」



じゃあ……あの時のメール、本当は嘘だって知ってて……。



「……話って何?」

大野くんから話を変えた。


「あ……あたしね……転校、するかもしれないんだ」

「え?」



話したってどうにもならないことはわかってる。


だけど誰かに聞いてもらいたかった。


優香子じゃきっと、あたしと一緒で動揺してしまいそうだったから。


冷静に話しを聞いてくれそうなのは、大野くんだと思ったんだ。
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