SEASONS
「どうして?」

「お父さんが、4月に異動になるんだって。それで、お父さんだけ行かせられないって……」


大野くんはあたしを階段に座らせて、自分も横に並んで座った。



「そうなんだ」


やっぱり大野くんは冷静に話しを聞いてくれた。



「ごめんね。いきなりこんな話して……。誰かに聞いてもらいたくて……」


「……あいつには言わないの?」

「え?」


そう言った大野くんはニコリと微笑んでいた。



あいつって……アイツのこと?
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