SEASONS
その時、後ろのドアからいつものようにアイツを呼ぶ声がした。


休み時間はもちろん、放課後毎日のように迎えに来る女の子。


多分、彼女なんだろうな。

……ってことは、キスしてた女の子?


「帰ろっ」

やっぱり語尾にハートマークをちらつかせて、アイツが出てくるのを待っている。


「あ……行っていいよ。あたし一人でも大丈夫だし」


そう言ってあたしが立ち上がった時、


「ちょっと待って」
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