SEASONS
素直になれたら
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──────……
「そろそろ行くよ」
「うん」
小さな旅行カバンを持ったお父さんにそう声をかけられた時、タイミング良くホームに電車が滑り込んできた。
ほとんどの荷物はもう向こうに運んである。
「──……」
誰かに呼ばれたような気がして振り返った。
「どうかしたの?」
「あ、ううん」
突然振り返ったあたしをお母さんが不思議そうに見た。
ホームを見渡してみても、知っている人とか誰かを探してるような人はいなかった。
気のせいだと思って前に向き直った時、ホームに到着した電車のドアが開いた。
お父さんの次にお母さんが乗り込む。
「……」