SEASONS
アイツも一緒に立ち上がった。


「……え」

「当番でしょ。ちゃんとやるよ」

「でも……」


ドアのところに立っている彼女に目を向けると──やっぱり。


怖い顔をしていたかと思ったら、一瞬で笑顔になった。


多分、アイツもそっちを見たんだろうな。




「先行ってて」

アイツはそれだけ言うと、彼女の元へ歩き出した。


ホント、帰ってくれてもいいのに。

むしろ、あたし的にはそっちの方が……。


だけど、これ以上話をしてても逆に勘違いされそうだったから、あたしは前のドアから教室を出た。

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