SEASONS
「何だよ」


「あたし──転校しないよ?」


「──……はぁ!?」

こんな表情も初めて見た。


あまりに驚いた顔するから、あたしは思わず吹き出した。


「確かに最初はそうなりそうだったんだけど、あたしは残ることになったの」




そう。

お父さんだけを行かせるのはかわいそうだと言ってたお母さん。

だけど、お父さんは最初から一人で行くつもりだったらしい。


どうしてかと言えば、期間は一年だけだったから。


今日は向こうの家の整理のためにお母さんも一緒に行っただけで、日曜日には帰って来る。



あたしが学校を休んでまで見送りに来たのは、まぁ……単なるサボリだ。
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