SEASONS
体が固まって動かない。


手を振り払うことも、さっきみたいに胸を押し返すことも出来ない。


どうして──。


あたし、このままキスされちゃうの?


初めてなのに、こんな男に……。


息がかかるほど顔が近づいたその時。



「誰かいるのかー?」

ドアが開く音と同時にそんな声がした。


その瞬間、今まで動かなかったのが嘘みたいに、あたしはアイツの体を思いっきり突き飛ばしていた。


「……つっ」
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