SEASONS
男なのにきれいな人だなぁ、なんて思いながら見ていたら──ふいにその人と目が合った。


「!!」

思わずビクッとしたあたしに、彼は目元だけでふわりと微笑んだ。


「……」


彼女が彼に腕を伸ばし、その腕を彼の首に回した。


……あたしだってもう、その先の展開くらい想像できる。


入学早々気まずいシーンを見てしまって、慌ててその場から立ち去ろうとした時。



一度は目を閉じた彼が、唇を合わせたまま目を開けてこっちを見た。
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