SEASONS
「女の子に突き飛ばされたの、初めて」


座り込んだままゆっくり振り返ると、目線を合わせるようにしゃがんだアイツがすぐそこにいた。



「しっ、知らないし! あ、あんなことしようとするからでしょ!」


座り込んだままずるずると下がると、

「あんなことって? キス?」

同じだけ距離を詰めて来た。




「あた、あたしはっ! アンタと違って誰とでも出来るわけじゃないんだからっ!」


トン、と背中に当たった固い物がこれ以上下がれないことを物語っていた。

見上げるとそれは書架だった。
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