SEASONS
だけどそれはすぐ、ククッと肩を揺らしておかしそうに笑う顔に変っていた。



「なっ、何よ!?」

「かわいいなぁ、と思って」


まだ小さく肩を揺らしながらそんなことを言われても、バカにされてるとしか思えない。


「どいてっ! 閉めるから出てよ!」

「はいはい」


自分が立ち上がるのと同時に、アイツはあたしの手を引っ張った。

それからそのまま図書室から出た。


あたしはその後ろ姿を睨みつけながら、浮かんだ涙を手の甲で乱暴に拭ってカバンを掴んだ。

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